学生、保護者向け

発達障害かどうかは、ここをチェック!種類と診断について、小学生の教師がチェックリストを交えながら解説します。

 

お母さん
お母さん
うちの子供、なんか他所のお子さんと違う雰囲気があるのよね・・・。もしかして、発達障害なのかしら・・・?

 

という悩みを抱えている保護者さんは多いと思います。そして、そのことを誰にも相談できずに悶々とした日々を過ごしているケースがほとんど。僕は教師という仕事をしているので、発達障害について相談されることも多くあります。

 

発達障害であることを悩み、周りとの違いに翻弄され、不登校に陥ってしまうこともあります。

>>>不登校を解決する5つのポイント

 

今回は、学校現場で教師として働きながら発達障害がある子供と関わっている立場で、発達障害かどうかを判断する方法や、その手順を説明したいと思います。

 

○発達障害の種類
○発達障害の診断
○発達障害の子供の進学

 

3分くらいで読めますし、多少は不安を解決できる道筋は見えるかもしれません。おそらくこのページに辿り着いて下さった方は、何かしら発達障害についての不安をおもちの方でしょう。真剣に書きます。少しでも力になれれば良いのですが・・・。

 

発達障害の種類

 

「発達障害」と一言で言っても、実はその中に様々な種類があります。有名なのは「ADHD」や「自閉症」でしょうか。それぞれ特徴があり、必要な対応策や支援策は変わってきます。

厚生労働省から資料を引っ張ってきたのでご覧いただきたいのですが、

出典:厚生労働省国立障害者リハリビセンター

発達障害を大きくグループ分けするとこのような関係性があります。1つ1つを細かく見ていきましょうか。

 

自閉症

おそらく、「発達障害」というワードを聞いて真っ先に思い受かぶ言葉は、この「自閉症」ではないでしょうか。TVドラマなどでも取り上げられる事が多く、認知度は高いですね。

 

自閉症とは、「自閉症スペクトラム障害」の略称であり、特徴は大きく3つあります。

 

①社会性、対人関係の障害
②コミュニケーション能力や言語能力の発達の遅れ
③行動や興味の偏り

 

です。言葉だけだと強烈ですね・・・。主にどんな行動や言動が「見た目」として現れ流のか、チェックリスト的な物を作ってみました。

 

簡単な図で申し訳ないのですが、こう言った症状が「過度に」見られる場合は自閉症の可能性があります。「過度に」という事が大切で、自閉症でもなんでもない子供にも、こう言った行動が見られるケースがあるという事です。

 

フクロウ
フクロウ
だから、これらの症状が見られたからといって、自閉症だと決めつける事はできません。

 

自閉症は発達障害の中でも深刻度が高く、生きていく上で辛い場面が多くなってしまうこともあります。

 

生徒の中にも自閉症と向き合いながら生活している子供がいます。周りの友達と足並みを合わせる事ができず、さらに興味も湧かない。友達の輪から離れ始め、大人の心配を他所に自分だけの世界にさらにのめり込んでいく・・・。

 

子供の社会は大人が思っている以上に残酷なもので、特異な存在に対して排他的です。もちろん自閉症がある子供だって同じ生徒であるという認識は、我々大人は当然持ち合わせていますが、子供の社会では成り立ち辛いこともまた事実なのです。悲しいですがね・・・。

 

自閉症の原因は未だに判明できていません。しかし、分かっている事は、自閉症は生まれつきの障害であって、親の育て方や接し方が原因になる事はありえないという事です。

 

お母さん
お母さん
うちの子供が自閉症なのは、私が悪かったのかしら・・・

 

と、自分を責めてしまう保護者さんも多くいます。でも、違うんです。自閉症は親の責任でも子供の責任でもないんです。自閉症は大変な障害かもしれない。向き合うには勇気がいることも分かっている。けれども、そこだけは。親のせいなんかじゃないということだけは、はっきり伝えさせてください。

 

自閉症に関しての見聞は広められ、専門機関の技術も相当上がってきています。自閉症は残念ながら「治る」ものではありませんが、それでも社会の中で生きていける程度には「育てる」事はできるようになってきています。だから悲観的になりすぎないで、対応策を探してもらえたらと思います。

 

アスペルガー症候群

アスペルガー症候群もかなり世間一般で認知されている発達障害だと思います。しかし、「アスペルガー症候群が自閉症の一種」ということを知っている人は少ないかもしれません。

 

そもそも、このアスペルガー症候群と自閉症は、まとめて「広汎性発達障害こうはんせいはったつしょうがい」と呼ばれています。近い特徴を持ち合わせているため、まとめられているわけですね。

 

では、アスペルガー症候群と自閉症の違いはなんなのかというと、その特徴の数です。

自閉症では

 

①社会性、対人関係の障害
②コミュニケーション能力や言語能力の発達の遅れ
③行動や興味の偏り

 

という3つの特徴を述べましたが、アスペルガー症候群ではこの3つのうち、①と③の、2つの特徴にのみ特化した性質が見られるものです。つまり、アスペルガー症候群の人はコミュニケーション能力においては目立った障害は見られません。

 

空気が読めなかったり、親しい友人関係を築く事が難しかったり、興味が偏っていたり・・・、「自閉症かな?」と思わせる特徴はあるにせよ、言語的な遅れが見られないため、発見が遅れがちなのがアスペルガー症候群の本当に怖い部分だと思います。

 

最近では「大人のアスペルガー症候群」という言葉がメディアで取り上げられることも多いです。つまりそれだけ、診断はされていないけれども実はアスペルガー症候群だった人が多いということですね。

 

自分が興味をもったことにはとことんこだわり、さらにその領域に対しては飛び抜けた集中力を発揮することから、研究職などで成果を挙げていたりするケースも多いですね。

 

小学校で勤務していて、発達障害があり悩む子供の中にも、このアスペルガー症候群がある子供はいます。しかし言語能力やコミュニケーションに問題はないので、ゆっくりじっくり集団生活のマナーや方法、考え方などを指導していくことで、クラスに混じって学校生活を送ることが可能となっている子供も多いですね。

 

しかし、それ以上に僕が思うこと。それは、アスペルガー症候群のような症状で悩んでいるのに、診断を受けていないために通常級に在籍し、自分ではどうしようもない悩みを抱えながら生活している生徒が多いということです。

 

もちろん通常級に在籍していること自体が悪い訳ではなく、子供が悩んでいることを保護者が知らないパターンもある、ということがかわいそうだと思うのです。

 

データではアスペルガー症候群は4000人に1人の確率で発症すると言われていますが、診断を受けていない潜在的な人数を考慮すると、もっと多くの人がアスペルガー症候群で悩んでいると感じます。

 

注意欠陥多動性障害(ADHD)

近年、一気に注目度が上がってきた発達障害が、この注意欠陥多動性障害・・・ADHDと呼ばれるものです。かなり多くの人が「隠れADHD」と考えられていて、その傾向がある人に対して「ADHD傾向」という言葉が用いられるほどです。

 

芸能人だと眞鍋かおりさんがADHD傾向と診断を受けたそうです。でも、きちんと仕事をされていることはもちろん周知されている通りです。

 

このADHDは、症状が多岐に渡るので、

 

お母さん
お母さん
あれ、うちの子供当てはまってる・・・

 

となりがちな障害です。チェックリストを作ってみたので見ていただきたいのですが、ちょっと落ち着いて見てもらいたいです。

 

 

はい、これ・・・どの子でも当てはまりそうじゃないですか?

 

どの子供でも、欲しいものを買ってもらえなければダダをこねるし、忘れ物はするし、ケアレスミスもするでしょう。

 

ADHDを考える時に大切なことは、これらの症状が過度に見られないか・・・ということです。

 

ちなみに色分けしているのは、ADHDの症状が大きく3つに分かれるためです。

 

青・・・多動性(体を必要以上に動かしてしまう。制御することができない)
赤・・・衝動性(突発的に行動してしまう。考えて行ったことではない)
紫・・・不注意(興味の範囲外のことについて意識が向かない。)

 

という分類がなされています。

 

学校生活の中で、

 

フクロウ
フクロウ
この子、もしかしたら発達障害かも?

 

と思ってしまう場面は、正直あります。数多くの生徒たちを見てきているからこそ、余計に気づいてしまうのです。そして、そういった生徒たちのほとんどは、このADHDの傾向です。

 

衝動的な行動、多動、不注意などが、あくまで個人の性質なのか、それともADHDという障害からくるものなのかは診断してみなければわからないので、不安であれば1度病院に行く必要があります。

 

学習障害(LD)

最後になるのは、学習障害・・・LDと呼ばれるものです。これは文字の通り学習面に特化した障害で、知的発達に遅れは見られないものの、

 

・話す
・聞く
・読む
・書く
・計算する
・予想する

 

という能力に困難があるケースを呼びます。

 

それらを分類分けすると、

 

○読字障害(ディスレクシア)
○書字障害(ディスグラフィア)
○算数障害(ディスカリキュリア)

 

とされています。有名な話では、トム・クルーズさんはディスレクシアであると自身で公言されていますね。会話をしたり、誰かの話を聞いて理解したり計算したり・・・そういうことには苦労しなかったのに、「書いてある文字を読む」ということが極端に遅く、間違いも多いなど、大きな困難があったそうです。

 

我々教師は、よく言います。

 

フクロウ
フクロウ
勉強頑張ってみようよ!繰り返し復習すればできるようになるよ!宿題やってくれば定着するよ!

 

などなど。もちろん多くの生徒を励ますために言うので、これが悪だとは思っていませんし、止めるつもりもありません。しかし、LDの生徒たちにとっては、いくら頑張っても努力だけでは難しい話なのです。

 

小学校入学前までは本格的な学習をしているわけではないので、正直LDかどうかを見極めることは難しいです。小学校に入学した後に、ひらがなをいつまでも覚えられなかったり、自分の名前を書けなかったり、工夫を凝らしても九九ができなかったり・・・そういった苦悩の中で、LDの可能性が考えられていきます。

 

このLD、知的発達が見られないため発見は遅れがちになるし、保護者さんからしても、「勉強ができないくらいで日常生活に支障は出てないから、別に診断を受ける必要なんてない」という判断になりがちです。

 

そうしてLDという「どうしようもない苦労」を子供が我慢していることを知らずに、「努力が足りない」とか「勉強不足」とか言われてしまうのです。

 

子供
子供
僕だって勉強できるようになりたいよ。頑張っているよ。でも、どうしようもないんだよ・・・。

 

とてもとても、悲しい話ですよね。このまま義務教育を終える「隠れLD」の生徒がどれほど多いことか。

 

僕は小学校高学年を担任することが多く、塾講師時代には中学生〜高校生まで担当していました。高校生で九九の7の段が言えなかったり、ローマ字で自分の名前を書けなかったり・・・そういう生徒さんたち、いました。頑張っていました。健気に、素直に、頑張っていました。

 

その生徒さんたちがLDだったかどうかは分かりません。しかし、そういった障害で悩んでいる子供は、我々大人が思っている以上に多いということだけは、この記事で伝われば良いなと願います。

 

 

発達障害を診断する方法

 

それでは、発達障害かどうかを診断するために、どのような手順が必要なのかを書いていきます。風邪などの病気と診察と違い、発達障害の診断には2〜3ヶ月の期間が必要であることは覚えておいてください。

 

WISC検査

最近よく話題になっている「大人の発達障害」ではなく、子供の発達障害に絞って考えてみると、まずはこのWISC検査が取っ掛かりになります。5歳0ヶ月〜16歳11ヶ月までの子供が受けられる検査です。

 

WISC検査は15の検査で構成されていて、4つの指標得点とIQが得られます。

 

・言語理解能力(言葉について)
・知覚推理指標(推測について)
・処理速度(作業速度について)
・ワーキングメモリー指標(記憶について)

 

これらの指標が得られるのですが、WISCを受けたことで発達障害の診断名が分かるわけではありません。

 

お母さん
お母さん
じゃあなんでわざわざWISC検査なんて受けるの?

 

と思うでしょうが、先述した通り、WISC検査はあくまで取っかかりなのです。ADHDや自閉症など、診断名ももちろん必要にはなりますが、ADHDの子供の中でも、一人一人で特性は異なるわけです。

 

例えば、生徒Aと生徒Bは、二人共ADHD傾向が見られる。けれども、多動性は児童Aの方が強く、不注意は児童Bの方が強い。といった感じです。

 

つまり、治療や支援の方針は、一人一人で異なるということ。その方針を見通すために、子供個人の力を把握する必要があります。そのための検査がWISC検査なのです。

 

学校を介しても受けられるので、WISC検査を受けようかと悩んだら、まずは学校の担任に相談してみると良いでしょう。

 

小児科か児童精神科での診察

WISC検査は必須ではないので、いきなり病院の予約をして診察を受けても構いません。しかし、WISC検査の結果を持ち込むことで、より鮮明な診断が可能になることは間違いありません。

 

病院では、問診や子供の行動観察、保護者さんとの対話による情報収集などをしながら診断をしていきます。別に聴診器を当てたり注射を打ったりという、いわゆる「治療」は行いません。

 

お医者さんはプロとはいえ、初めて会った子供の診断をするので、情報は少しでも多い方が良いです。そこで、病院に診断に行くときに持っていきたい物をまとめてみました。

 

 

他にも何か思いついたものがあれば、とりあえず持って行ってお医者さんに見せてみれば診断の材料になると思います。

 

発達障害は、お医者さんに「あなたはADHDです」「あなたはアスペルガー症候群です」など、診断名を付けられて初めて分かるものです。それ以外は、発達障害”っぽい”とかのレベルです。違ったら違ったで、それもスッキリする選択になるので、一度診断を受けることをオススメします。

 

発達障害の子供の進学

 

発達障害と診断された子供は、自分の特性と向き合い、家族と相談しながら自分の生活を送っていくことになります。

 

小学校、中学校では特別支援学級に入るかもしれませんし、特別支援学校に入学しているかもしれません。そんな子供にとって最も大きいターニングポイントは、高校進学だと思います。自分で選んで受験し、進学することが多い高校ですので、

 

学生
学生
発達障害がある僕は、どの高校にも入れないのかな・・・

 

と不安に思ってしまう人も多いです。しかし、絶対にそんなことはありません。

 

もちろん特別支援学校の高等部に入学するも良いでしょう。しかし、もし小さい頃から自分の障害に対してしっかり対処してきて、そこそこ集団生活に馴染めるようになっているのであれば、通信制高校というのも1つの選択肢です。

 

通信制高校についての資料はこういうページから手に入るのですが、特徴としては、

 

・年に数日の登校日数
・自分で学びたいことを選べる学校がある(技術職、クリエイト職など)
・近年の社会情勢により需要が広がっているので、様々な資料が手に入る

 

という特徴があります。そして、もし自分で学びたいことを選べるのであれば、多くの発達障害に共通している「強いこだわり」「興味があることに固執する」という特性が、逆に長所となることもあるわけです。

 

子供にとって何が望みなのか、その望みが達成できる環境なのか・・・。その要素を達成しているとしたら、我々がよく知っている普通科の高校ではなく、最近増えてきた通信制高校なのかもしれません。

 

 

 

発達障害の診断は大切!子供の悩みを解決するために、病院に行きましょう

 

発達障害かもしれないという疑問を感じたら、正しい対応や診断を受けることで、何よりも子供の苦しみや悲しみを減らす事ができます。

 

しかしそれはもちろん、大人からしたらしんどいことです。自分の子供が発達障害だということを認め、さらに医者から診断名という形で申告されることは、とてつもない勇気がいることです。

 

例え発達障害が、自分の育て方や環境のせいではなく、誰が原因となっているわけではない生まれつきのものだと知っていたとしても・・・。

 

でも、子供を守るのは大人です。我慢をするのも大人です。もし子供が発達障害かもしれないと思うのであれば、1度病院の診断やWISC検査などを考えていただけたらと思います。

 

最後に、この記事で書いてきた内容をまとめてみます。少しでも力になれれば幸いです。

 

子供が発達障害かと思ったら

・学校に連絡して、WISC検査を受けてみる
・小児科か児童精神科を受診してみる
・日頃から、どんな行動をしているのかを記録しておく

 

では、また〜。

ABOUT ME
フクロウ
フクロウ
公立学校で教員をしています。 毎年担任をしていますが、持ち帰り仕事や休日出勤はゼロです! 試行錯誤しながら考えた仕事術なんかを書けたらと思います。 他にも、学生や保護者向けの記事、趣味全開の記事など書きます。 物書き楽しい!!