どうも、フクロウです。
Mリーガー紹介記事が書いていて楽しかったので、調子に乗ってNo.3を書いてみようと思います!
(2019/1/13 追記)
Mリーガー紹介記事のまとめを書きました!他選手の紹介記事もぜひ読んでみてください。
「ファンになるプロがたくさんいても良い」という考えをもっており、僕はファンである麻雀プロがたくさんいます。なのでこの紹介記事もたくさん書いていくつもりです。
今回は、近藤プロと同じ最高位戦であり、赤坂ドリブンズに所属している
園田賢プロ
について書いてみたいと思います。
2018年シーズンの個人成績を首位独走という形で締めくくった激強雀士の情報をまとめてます!
(2019.2.17 追記!)
高田馬場にあるMリーグルールで遊べるノーレートフリー雀荘「M.L.スタジアム」で、園田賢プロとお会いすることができました!詳しくは下の記事をご覧ください!
>>「Mリーグ」ルールで遊べるノーレート雀荘「M.Lスタジアム」!参戦レポート ~園田賢プロと会ってきたよ~
見たい場所へジャンプ!
園田プロの経歴って?
Mリーガーは数多くいる麻雀プロの中でもネームバリューがずば抜けていて、ちょっとテレビ麻雀を見たことがある人なら誰でも知っているような人ばかりがドラフトされています。
佐々木寿人、村上淳、鈴木たろう・・・数々のタイトルを積み重ね、過去から現代までの麻雀の最前線で戦ってきた猛者たちばかりです。
赤坂ドリブンズのドラフト1位指名が、この園田賢
しかし、赤坂ドリブンズがドラフト1位指名した雀士は、この園田プロでした。
恥ずかしながら、プロ麻雀観戦が大好きなのに、僕は園田プロの麻雀を1回しか見たことがありませんでした。
それは年末年始に行われる「麻雀駅伝」という大会です。
麻雀駅伝は、連盟、協会、最高位戦、RMUというプロ団体のチームに加えて、片山まさゆき(麻雀漫画)や鈴木大介(将棋プロ九段)などの「アマチュア精鋭部隊」で編成された”アマチュア連合”の計5チームで行われる大会のことです。
メディアに露出している有名な大会でいうと、MONDO杯、RMUリーグ、麻雀最強戦などでしょうが、それらは全て個人戦。
例えば連盟同士の佐々木寿人プロと滝沢和典プロが対戦することもあるわけです。
しかし、この麻雀駅伝は完全にチーム戦。同じチーム同士の協調性、別団体とのライバル関係などが浮き彫りになる大会です。
で、この麻雀駅伝なんですが、アマチュア連合がとにかく強くて、もうそれはそれは止められないくらいなんですよ。
僕の記憶だと、2016~2017年あたりはアマチュア連合の独走で終わった気がしています。
並み居る強豪プロがアマチュア連合に破られていく中、園田プロだけは屈せず、反撃に転じている姿がありました。もちろん他のプロ達がうんぬんっていう話じゃないです。麻雀は何もできないままやられることなんていくらでもありますからね・・・。
それが2017年。優勝はアマチュア連合でしたが、アマチュア連合に傷をつけた園田プロの勇姿は視聴者の目に焼き付きました。
それまで、園田プロはメディアへの露出は少なかったんですよ。しかし、初めて見た園田プロの麻雀は流麗で不屈で、かっこよかった。最高位戦はアマチュア連合に負けてしまったけれど、一矢報いたことは事実でした。
そして2018年の麻雀駅伝。どのプロもアマチュア連合への逆襲を狙っている中、優勝したのは最高位戦でした。もちろん園田プロもメンバーの中に入っていました。
そういった経歴をもち、ネームバリューよりも実力が重視されているMリーグだからこそ、ドリブンズは園田プロを1位指名したのでしょう。
Mリーグは開催第1回。今回の優勝チームは「初優勝」という、これ以降どのチームも手に入れることができない栄冠を手にすることができます。企業の知名度も上がるでしょう。そういった経営戦略が含まれている以上、ドリブンズが気まぐれとか馴れ合いでドラフトをするわけがありません。
園田プロはその実力を買われて、多くのプロを押さえてドラフト1位指名を勝ち取ったのです。
園田プロの麻雀観 ~サラリーマンと麻雀プロの兼業~
Mリーガーはその知名度と実績から、麻雀プロ専業の選手がほとんどです。
しかし、Mリーガーで唯一園田プロだけは、サラリーマンと麻雀プロの兼業として活動しています。
麻雀プロに対して抱く僕たちアマチュアのイメージは色々な見方があるけれど、僕が興味深かったのは、自分自身に対しての園田プロの見解。
「僕のような兼業しているMリーガーは淘汰されるべき」
と発言していたのです。
なかなか自分のことをここまで言えないよなあ・・・と、客観的に自分のことを分析し、それを表現している姿勢に驚いたことを覚えています。
どういうことかというと、園田プロは麻雀界の更なるレベルアップを望んでいるということです。
専業の人は日夜全てを麻雀の研究や練習に当てることができる。しかし、自分はサラリーマンとしての仕事以外の時間で麻雀技術の研鑽をするしかない。
だからこそ、専業の人には自分よりも強くあってほしい。自分は負ける気はないけれども、自分の技術が及ばなくなるときは、それは麻雀界のレベルが上がったということ。
そのような内容だったと思います。
誰にも負けない!俺が1番強い!
と言うことは簡単で、ビッグマウスと揶揄されることもあります。しかし、園田プロはそのような発言をしてもビッグマウスなんて言われない実績を誇りながら、とても謙虚です。そして、麻雀界の発展について、自分の立場を理解した上で客観的に分析しているのです。
なかなかできることじゃないですよね。
・・・まあ、園田プロは強すぎて、なかなか麻雀界のレベルがそこまで上がるまでには時間がかかるような気もしていますがw
麻雀プロとして自分の欲求を満たすだけでなく、俯瞰的な視点をもっているところにも魅了されますね。
Mリーガーとしての園田プロ ~観戦記(12/21)~
では、園田プロの強さを証明するような場面を紹介してみます。
それは12/21の2戦目です。この日の1戦目は鈴木たろうプロがトップをとり、園田プロがトップならばドリブンズが連勝で2018年シーズンを締めくくるという大切な試合。
以前、土田浩翔プロが言っていたことがあります。
「その日の最後の半荘は、次に麻雀を打つときの直前の半荘になる」
というもので、心に残っています。そう考えるならば、ドリブンズにとって園田プロが戦ったこの半荘は、2018年締めくくりの半荘であり、それと同時に2019年の初戦の直前の半荘になるというもの。大切な試合に出てきたわけですね。
この試合で、園田プロはその「自分流」としての戦い方を披露して、トップを勝ち取ります。
まずチームの状況を見てみましょう。

ドリブンズは堂々の首位。序盤に苦労していた鈴木たろうプロが復調し、チーム戦績の底上げとなりました。
今回の出場選手は
南 : 園田賢 (赤坂ドリブンズ・1位)
西 : 近藤誠一 (セガサミーフェニックス・6位)
北 : 滝沢和典 (EX風林火山・2位)
でした。アベマズから下の4~7位は大混戦の状況で、3位の雷電は中間で浮いているという珍しい状態。ドリブンズは首位とはいえ、風林火山は70ポイント差のところにいます。70ポイントなんてトップ3着の関係で変わってしまう差です。
・近藤プロはトップ3着でアベマズを捲れるポジションにいるため攻撃的な姿勢を取る。
・滝沢プロは3着の雷電までポイント差があるので思い切って攻めることができる。
・難しい立場なのは松本プロで、ここでラスになってしまうと年明けのスタートが超激戦区からのスタートになってしまうため、2着以上にいたいものの、放銃は避けなければならない。
各チームの情勢を考察してみるとこんな感じでしょうか。攻める滝沢、近藤に対して逃げる園田、攻守のバランスを見極めなければならない松本・・・という様子が分かります。
では、ポイント毎に園田プロの麻雀を紹介したいと思います!
ポイント①:東1局
まずは東1局。

5順目を切り終わったところですが、河を見てもらえばわかるようにドラの8pが含まれたペン7pの待ちを払っています。
解説でも「早いな~」という話が出ていたのですが、対面の滝沢プロの河を見てみると国士無双かピンズの一色手に見えます。
上述した通り、この局の園田プロのコンセプトは「滝沢プロよりも上の着順にいる」ということなので、6-9p待ちの両面ならともかく、待ちは悪いし滝沢プロはピンズ一色手だし~という状況のペン7pを持つ必要がないという判断だったのでしょうか。

途中、1mを暗刻にして聴牌となりますが、ヤミテンに構えました。

場の状況的にはピンズの一色手っぽい河だった滝沢プロからピンズがこぼれ始め、そのくせなぜかソーズの上の方が全然切れていない状態。みんな上の三色やってるの?ってくらい。間6sはヤミテンで間8sはリーチという判断基準は、恥ずかしいですが僕は分かりません。単純に6と8の比較でしょうか・・・。とにかく園田プロはここで間8s待ちでリーチ。

最終的に8sをツモって2000-4000。僕は間6sでリーチして空振ってますね・・・。
ポイント②:東3局
トップ目に浮上した園田プロ。滝沢プロよりも上の着順にいるための並び作りはできました。とはいえ、まだまだ滝沢プロの破壊力があれば捲られてしまう点差です。
そんな状態で滝沢プロからリーチが入りました。

間8s待ちのリーチで、ドラドラあるので打点も十分ですね。
園田プロにも聴牌が入りますが、ここで選択肢があるわけです。
・滝沢プロ”だけには”打ちたくないチームの状況だからヤミテンに構えて流しに行く。
・絶対に滝沢プロには打ちたくないからオリる。
園田プロが選んだのは追っかけリーチでした。3面張というのもありますが、ここで直撃を取れれば大きいという勝負所だと判断したのでしょう。

ここで2p切りではなく5p切りでリーチをしたのは1つのテクニックですね。
滝沢プロの河には8pが切れているので、5-8p待ちでの放銃はありえません。
当然2-5p待ちだった場合はどっちを切っても当たるのですが、2pの場合は間2p待ちという選択肢がまだあります。シャンポンリーチだとしても、5pより2pの方が待ちとして優秀ですよね。(ほんのちょっとですが)
なので、ここは2pではなく5p切りリーチと。もちろん場に1pが切れまくっているとか、間2p待ちを否定できる条件があれば、2p切りリーチもありえます。
結果は

滝沢プロから一発で直撃し8000点。直撃なので差は16000点開いたことになります。これは大きかったですね・・・。入り目が4sだったので3-6-9-s待ちという強い待ちになりました。この入り目が6sで、4-7s待ちなどになった場合は追いかけたのでしょうか。興味深いですね。ドラも引けなくて待ちも悪くなったとなれば9pを切って回ることもあったのでしょうかね。
とにかくここで本命ターゲットの滝沢プロと大きく差を開きます。
ポイント③:東4局
この局は園田プロの手配がすごくよくて、あっという間に両カンー両面の一向聴となります。
早すぎたし赤ドラも持っていたので、僕だったら「ここで滝沢プロに親被りをさせればさらに磐石になる」と面前で仕上げようとしていたと思います。仕掛け、苦手なんですよね・・・。
ここで、松本プロから7pが出されます。

そしてこの7pは両カン形を埋める牌だったので、園田プロは迷わずチー。

これで3-6sの聴牌。
3-6sから先に松本プロから出された場合もチーしたでしょう。そしてドラだけど打8p。これをチーするということは、園田プロの中でコンセプトは「滝沢プロへの親被り」ではなく「一刻も早く滝沢プロの親番を流す」ということだったのでしょう。そうなれば、待ちがドラ表示牌になってしまう形はイヤなので、打8pとして間5p待ちにしたでしょう。3pを引けば2-5p・7mの3面張に変化する可能性もありますし。
その直後、近藤プロから3sが捨てられ、和了。

これでタンヤオドラドラの3900点。滝沢プロの親番を流しつつの加点としては十分ですね。
ポイント④:南4局
この局こそ園田プロの真骨頂が発揮された局でした。オーラス、アガればトップです。ただし親番はライバルの滝沢プロ。ここで親満貫直撃とか食らうととんでもないことになってしまいます。
配牌を取ったあと、まだカメラが追いついていない時間帯に園田プロが電光石火の仕掛けをします。
松本プロの8sをポン。

この形ですよ。

滝沢プロもアガりを重ねて園田プロまで6000点差まで迫っていた中、この手配で8sポンの発声がすぐに出る人がどれだけいるんですかね・・・。当然ですが僕は出ません。
1つの基準として、この手配は親リーチが入ってもまだ白東發と安全牌候補が3種類あるのと、最悪の場合9mが通れば3回分凌げるというものがあります。
軽く仕掛けて安全牌もない状態で親リーチ入って涙目になる経験、誰しもがあるでしょう・・・。あれは怖いですよねw
このアガり役は西です。先に役牌以外の部分を仕掛けてみて、その後に役牌を用意する仕掛け方、いわゆる「バック」という手法ですね。
状況的に自分以外の3者みんなが攻めなければならない状況で、西は余ればすぐに捨てられると判断したのでしょう。もちろんバッタ(誰かが西を2枚持っていて、自分と2枚ずつ持っている状態)だった場合は最悪ですが、この勝負を終わらせるために積極的に攻めていきました。
状況が状況だけに、やはり西はすぐに出て、バック成功。

だってまだ1順目だからねw

役はできたものの、まだこの形。ここで親リーチが入ったらと思うと震えますね。

ちなみに滝沢プロの手配はこんな感じ。仕上がったら12000点から見える手配。形もそこまで悪くない。痺れますね・・・。
結果は、園田プロが電光石火のアガりを決めて、見事トップを取りきりました。

園田賢プロを応援しよう!
「魔法使い」と呼ばれ、その仕掛けや発想で数々のマジックめいた勝利を重ねてきた園田プロ。
自身の立場についても辛口で俯瞰的な見方をするのは、それだけ麻雀界の発展を信じて、麻雀界を愛しているから。
今までメディアへの露出は少なめで、Mリーグを見て初めて園田プロの麻雀を見た人もいたでしょう。これがドラフト1位の実力と言わんばかりの個人成績344.1。
石橋プロ曰く、「麻雀はまじめにやってるけどひょうきんな性格」らしいですが、それが伝わるくらい解説やインタビューでは明るく受け答えする姿が好印象ですよね。
年明けの園田プロのポイントにも注目ですね!そんな園田プロをみんなで応援しよう!
では、また~。